緑の国へ


 臆病なライオンがゆっくりと目を覚ますまでには、かなりの時間がかかった。
 なぜなら、彼は長くケシの花の間に横たわり、その強烈な香りを深く吸い込んでいたからだった。

 やっと目を開けて荷車から降りると、彼は自分がまだ生きていることを心から喜んだ。

「全力で走ったんだ」
 座り込みながらあくびをし、そう言った。
「でも花の力には勝てなかった。どうやって助けたんだ?」

 彼らは野ネズミのことを話し合った。
 小さなネズミたちがいかに寛大に、ライオンの命を救ったかを。

 臆病なライオンは笑った。

「いつも、自分は大きくて恐ろしいと思っていた。
 なのに、小さな花が命を奪おうとして、
 小さなネズミがそれを救ってくれるなんて、奇妙だ。

 でも、同志たち、これからどうする?」

「黄色いレンガの道を見つけるまで、旅は続くわ」
 ドロシーは静かに言った。
「そうすれば、エメラルドの都へ進み続けられるから」

 ライオンは元気を取り戻し、みんなはまた歩き始めた。
 柔らかな緑の草の上を歩くのは心地よかった。

 やがて、黄色いレンガの道に出た。
 道はすっかり舗装され、滑らかで、周囲の景色も美しかった。

 森を抜けて、薄暗く危険な場所から遠ざかれたことに、みんなは安堵した。

 道の脇には緑色の柵ができていた。
 そして、緑色に塗られた小さな家々も見えた。

 午後の光の中、旅人たちはいくつもの家の前を通り過ぎた。
 人々は戸口に立ち、こちらを見ているようだったが、
 大きなライオンがいるため、誰も近寄らず話しかけなかった。

 人々は美しいエメラルドグリーンの服を着ていた。
 マンチキンの国の青とは違う色だった。
 彼らは山高帽をかぶっていた。

「ここはオズの国に違いない」
 ドロシーは小さくつぶやいた。
「きっとエメラルドの都に近づいているわ」

「そうだ」
 かかしが応えた。
「何もかも緑だ。マンチキンの国の青とは違う。
 でも人々は親切じゃないかもしれないし、夜を過ごせる場所を探さないと」

「果物以外に何か食べたい」
 少女は言った。
「トトはお腹が空いていないみたい。次の家に行ってみよう」

 やがて、大きな農家の前に着くと、
 ドロシーはゆっくりと歩いていき、ノックした。

 一人の女性が、少しだけドアを開けて尋ねた。
「お嬢さん、どうしたの?
 あんな大きなライオンが一緒にいるなんて」

「もしよろしければ、今夜お泊まりさせてほしいのです」
 ドロシーは答えた。
「ライオンは私の友達で、絶対に傷つけたりしません」

「おとなしいの?」
 女性が尋ねた。

「ああ、そうよ」
 少女は笑った。
「彼はとても臆病で、あなたが彼を恐れる以上に、彼はあなたを恐れているわ」

 女性は顔をしかめて、ライオンをちらりと見た。
「そう、それなら、どうぞ中へ。夕食と寝床を用意するわ」

 家の中には女の人のほか、二人の子供と男がいた。
 男は足を痛めてソファに寝ていた。
 みんな見知らぬ客に驚いているようだった。

 女が忙しく食卓を整える間、男が尋ねた。

「みんな、どこへ行くんだ?」

「エメラルドの都へ」
 ドロシーは答えた。
「偉大なオズに会いに行くの」

「本当に?」
 男は声を荒げた。
「オズが会ってくれると信じてるのか?」

「どうして?」
 少女は聞いた。

「彼は誰も近づけないと言われてる。
 何度も行ったが、素晴らしい場所だけど、
 オズに会ったことはない。生きている人で彼を見た者もいない」

「彼は外に出ないの?」
 かかしが尋ねた。

「決して。毎日、宮殿の玉座に座っている。
 仕える者も、直接会えないんだ」

「彼はどんな人?」
 少女が聞いた。

「それがなあ……」
 男は考え込んだ。
「オズは偉大な魔法使いで、どんな姿にも変身できる。
 鳥になったり、象になったり、猫になったりもする。
 美しい妖精やブラウニーの姿にもなる。
 だけど本当の姿は、生きている者にはわからないんだ」


コメントする