魔女のおわり

邪悪な魔女がまた外を見た。カラスたちが山のように倒れているのを見て、怒りが体の中で燃えあがった。彼女は銀の笛を三度吹き鳴らす。高く響く音が、静かな空気を切り裂いた。 すぐに、空の彼方から羽ばたきの音が大きくなった。黒い蜂 … 続きを読む

初陣

兵士の口ひげは、まるで草のように濃くて緑色だった。その兵士が案内してくれる道は、エメラルドの都の中でも特別にきらめいて見えた。 わたしたちはゆっくりと歩き、門の守護者の家へ向かった。彼は黙って、わたしたちの眼鏡の鍵を開け … 続きを読む

ウィンキーの国へ

 ブリキの木こりが戻ってきた。 とても落ち込んだ顔をしていた。  「……あんなの、見たことないよ」 しばらく黙ったあとで、ようやく言った。 「火を吹くような、恐ろしい野獣だったんだ。毛がもじゃもじゃで、目が五つもあって… … 続きを読む

見えない姿

 朝になると、あの緑のひげの兵士が、かかしのところにやって来た。 「オズがお呼びです。一緒に来てください」  かかしは、わらの体をぎこちなく揺らしながら立ち上がった。 そして、兵士のあとをついて、玉座の間へと入っていった … 続きを読む

オズの試練

 小さな扉を押した。 ほんのり緑の光がこぼれる。 胸を張って一歩。空気が冷たい。  円い大広間に出た。 壁も床も天井も――すべて大粒のエメラルド。 頭上には太陽みたいな大きな灯り。 宝石が一斉に火花を散らす。目が焼けそう … 続きを読む

玉座の間

 緑の眼鏡をかけていても、私たちはまず、この街の輝きに目を奪われる。 通りには美しい家が並ぶ。どれも緑の大理石でできていて、あちこちにエメラルドがきらめく。  私たちは同じ緑の大理石の舗道を歩く。 石のつなぎ目にはびっし … 続きを読む

それでも会いに行く

 「なんだか、すごく変な話ね」 私はそう言って首をかしげた。「でも、それでも行かなくちゃ。オズに会わないと、ここまでの旅が全部――無駄になるもの」  「なぜ、そんなに恐ろしいオズに会いたいんだい?」 男が真顔で私たちを見 … 続きを読む

緑の国へ

 臆病なライオンがゆっくりと目を覚ますまでには、かなりの時間がかかった。 なぜなら、彼は長くケシの花の間に横たわり、その強烈な香りを深く吸い込んでいたからだった。  やっと目を開けて荷車から降りると、彼は自分がまだ生きて … 続きを読む

草の上の再会

 「ぼくが思いつくかぎり、いまはないよ」 ブリキの木こりが静かに言った。  でも、考えようとするたびに、わらがごそごそと音を立てるかかしが、すぐに声をあげた。 「――ああ、あるよ」「ケシの花のベッドで寝ている、ぼくらの友 … 続きを読む