銀河鉄道の夜
天の舟――白靴の姉弟
「あら、ここ……どこかしら。まあ、なんて、きれい」 少女の声が、静かに車窓の光にとけた。 黒い外套をまとった十二歳ほどの少女が、茶色い瞳を丸くして青年の腕にすがりつき、車窓の外をじっと見つめている。 「ランカシャー … 続きを読む
北十字とプリオシン海岸
「おっかさんは、ぼくをゆるしてくださるだろうか」 カムパネルラが、ためらいながらも急いで言った。 その声は震えていた。 ジョバンニは黙って遠くの橙色の三角標を見つめた。 その先に、母がいる気がした。 あの小さな光の … 続きを読む