隣室からのノック音(深夜の物音の正体)
朝、出勤前に管理会社へもう一度電話した。鏡の処分費を了承し、ついでのように訊く。「二〇二号室って、今、空いてますか」 受話器の向こうでキーボードを叩く音。「その部屋は現在“空室”ですね。内見予定もなし」 昨夜のノックを … 続きを読む
朝、出勤前に管理会社へもう一度電話した。鏡の処分費を了承し、ついでのように訊く。「二〇二号室って、今、空いてますか」 受話器の向こうでキーボードを叩く音。「その部屋は現在“空室”ですね。内見予定もなし」 昨夜のノックを … 続きを読む
翌朝、管理会社に電話をかけた。姿見の件、と切り出すと、担当は「ああ、前の入居者さんの残置物ですね。処分費が少し——」と事務的に言った。金額を聞いて、ため息を飲み込む。家賃が安いぶん、こういう出費は覚悟していた。週末に回 … 続きを読む
鍵を受け取ったのは梅雨明けの午後だった。駅から歩いて七分、築三十年のワンルーム。不動産屋は「相場よりだいぶお得ですよ」と言った。言葉どおり、家賃は周辺より二割は安い。角部屋で、窓は東向き。朝は明るいはずだ、と自分に言い … 続きを読む